湿原の動物

 キタキツネ 湿原の内外問わずよく見かける。巣は湿原周辺にあっても、エサを探して湿原の奥深くまで入り込んでくる。とくに、河川沿いには夏冬ともに足跡がよくありカモなどを狙っているようである。キタキツネはアカギツネの仲間で北海道、南千島、サハリンに生息する。かなりの雑食家でネズミ、ウサギと言ったものの他に果実類もよく食べ、また人の捨てたものも漁る。湿原ではタンチョウを襲うこともあり、タンチョウの数少ない外敵となっている。
キタキツネの子供


 エゾシカ シカとはほ乳類 鯨偶蹄目(クジラぐうていもく)シカ科に属する動物の総称です。偶蹄目とは2つに分かれたひずめをもつ仲間。
日本に生息する偶蹄類はニホンジカ(シカ科)、ニホンカモシカ(ウシ科)イノシシ(イノシシ科)の3種です。このうち北海道にはニホンジカの亜種であるエゾシカだけが生息しています。日本には7つの亜種がありエゾシカは一番からだが大きく、冬季のオスで平均体重は120〜130kgとなる日本最大のシカです。
エゾシカは針広混合林のあるところで生活をしています。そして草本、木の葉、ササ、樹皮などその季節に利用しやすいものを食べています。
北海道での発情期は10月〜11月。妊娠期間は約8ヶ月間。出産は5月下旬〜7月上旬で子供はほとんど1子で双子は希です。
満1歳の秋には通常発情するので繁殖力は旺盛です。そのため最近はシカの数が増え農林業に大きな被害が出ています。
シカの増加の原因は森林の伐採、農地の拡大、小雪、天敵などの減少などと言われています。
秋に繁殖期を迎えたオスジカは首まわりが大きくなり、毛は黒っぽい冬毛に変わります。そして自分の尿を泥と一緒に体中に浴び、その体を木になすりつけたり、ラッティングコールと呼ばれる繁殖期特有の鳴き声を上げたり様々な方法でメスや他のオスに自分の存在をアピールします。そのようにして強いオスは数頭のメスをキープして他のオスの接近を阻止しながらメスの発情を待ちます。
発情期を過ぎると男性ホルモンのレベルは徐々に下がり4〜5月頃ほとんど0となります。そのころオスの頭に生えていた角が落ちます。そのあとには袋角と呼ばれるビロード状の皮膚に被われ毛細血管に富んだ柔らかい角が成長していきます。
そして秋には立派な角になります。この角も生まれた年のオスジカにはなく、1歳から1−2本角、2−3歳で3本角、3−4歳で4本角となりそれ以上は枝分かれしないと言われています。
 
秋のオスジカ
メスジカ
冬のオスジカ





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